30代に入ると、また一つ新しい旅に出た気がする。

これまで歩んできた道のりは、嬉しいことや悲しいこと、楽しいこと、時には失望もあり、その度に成長する過程が今の私に繋がっている。

だから、この写真集を通して女の子から女性に変わる過程を記録したいと思った。

自分の無邪気な一面を残して、様々な私の側面を皆さんに見せたいと思った。

そして、本来の目標と初心を私は決して忘れない。

あの日のステージに憧れと情熱をもち、多くの挑戦に立ち向かっていた私を。

本来の素朴な美しさと未来への希望を忘れることなく、

“初心未泯”(初心を忘れない)の心を抱き、努力を重ね、この未完の旅路をまた一歩進んでいく。

峮峮 (チュンチュン)／吳函峮

昨年、チュンチュンと共に女性ならではの視点をコンセプトにした写真集に取り組んだ。私だけでなくチュンチュンもまた、ありきたりなルールから飛び出して、今までとは違う輝きを放っていた

幼い頃から本屋で女性写真集の一角を通るたび、女性である私はたいてい足早に通り過ぎる。なぜなら、自分はそれらの対象でもなければ、写真集に映る女性の視点は自分が慣れ親しんだ美しさでもないからだ。いつの間にか私は、無意識のうちにセクシーな写真集は自分とは無関係なものだと思っていた。

しかし実際は、被写体である主役はミューズとも言うべき女性であり、極めて重要であるはずのミューズたる女性の内面が置き去りにされていることは何とも不可解に見えた。今回の機会を与えてくれたと同時に、私の中で何度も繰り返し考えたこのテーマを共に追い求めてくれた中山さん、チュンチュン、ポニーキャニオン、そしてこの企画に関わってくれた全ての人に感謝したい。

もし、長きにわたり世界から注視され、常に受け身であったミューズが、ある時彫像のような現状を自ら解き放ち、自分が表現したい美しさを自由に発揮できたとしたら？

チアリーダーであるチュンチュンと女優の私、私たちは同じ女性表現者として、この作品を通して女性ならではのセクシーとロマンを世界に見せつけるべく力の限りを尽くした。

最後に、撮影を担当した者として、このコラボレーションがチュンチュンやスタッフチームに勇気や励ましを与えられるよう、そして、いつもは応援する側のチュンチュンに、今回は私からささやかな応援ができることを願う。

林予晞 (アリソン・リン)